「悪徳商法」
悪徳商法とは、社会通念上悪質な商売をする業者が不当な利益を得るような、社会通念上悪質とみられる商売方法です。
代表的なものに、「マルチ商法(まがいもの商法)による販売」や、「点検商法(リフォームの必要がないにも関わらず強引にリフォーム契約を締結させる悪質な訪問リフォーム工事を勧める商法)」などがあり、
問題商法や
悪質商法とも言われています。
特に、20歳で成人となって間もない若者や、高齢者をターゲットにする悪徳商法が増加しています。社会的な経験や知識が少ない若者や、高齢のため判断能力が低下している高齢者等の
消費者の弱みにつけこんだ悪質なケースが多いです。
「悪徳商法の事例」
@キャッチセールス

「とりあえずアンケートにだけ答えてくれたら〇〇を差し上げます!」「今ならキャンペーン中なので〇〇を無料でしてあげますよ!」などと路上や町中で呼び止め、そのままお店や喫茶店等に同行させてその場で契約させる商法です。
悪質なケースでは契約するまでその場から離れられない状況にして契約させる事もあります。
被害者は、女性に多く、エステティックサロン、化粧品、絵画、語学教室、美容商品等を勧誘するケースが多いです。
Aアポイントメントセールス

電話などでアポイントメント(約束、予約)を取り付けて、お店等に呼び寄せて契約させる商法です。
何も応募していないのにもかかわらず、電話などで「懸賞に当たりました!すぐに〇〇を取りに来てもらったらお渡しできます!」「抽選で見事当選しましたのであなただけに特別価格で販売しますからすぐに取りに来て下さい!」などと告げて、お店に呼び寄せその場で契約させる商法です。
被害者は、上京したての地方出身の若者や新成人に多く、宝石、貴金属、資格講座等を勧誘するケースが多いです。
B点検商法

「今なら無料で○○の点検をします!」「現在キャンペーン中で近所の人はみんな工事をしていますよ!」などと突然自宅を訪問し、結果的に「シロアリが発生しているので直ぐにでも修理が必要です!」とか「〇〇が腐っているので器具を交換する必要があり、もししないと大きな地震がきたら家が壊れますよ!」「この地域はオール電化指定地区なのでキッチンをIH対応に変えないといけません!」などと嘘や誇大発言で、必要のない工事や商品を高額で契約させる商法です。
被害者は、専業主婦、一人暮らしの高齢者、高齢の夫婦だけの世帯に多く、シロアリ駆除、床下点検、水回り工事、リフォーム工事等を勧誘するケースが多いです。
Cかたり商法

消防署や水道局などの公的な機関の職員を装って「つい最近法律が改正され○○の設置が義務づけられました!」「水質検査の結果〇〇の通常基準値を上回ったのでこのまま飲み続けると体を壊しますよ!」「もう使用期限が切れているので取り替えなければなりません!」などとまぎらわしい言い方と服装で高額な商品、機器等を売りつける商法で、各家庭へ設置すること備え付けることが法律や条例、規則等で義務づけられていると偽って売る悪質なケースもあります。
被害者は、一人暮らしの高齢者、高齢の夫婦だけの世帯、専業主婦に多く、消化器、水道設備機等を勧誘するケースが多いです。
Dマルチ商法

「人を紹介するだけでマージンが得られるよ!」「紹介者が会員となったら高額な配当を得ることができるから、とりあえず会員になってみて!」などと言って特定の商品を購入させたり入会金を払わせたりした上で販売組織に加入させ、つぎつぎと販売要員を勧誘してねずみ算式に増やし、組織の上部にいる人間ほどマージンが入るというもので、販売員が一定の保証金を積んで商品販売にあたり、他の販売員を勧誘すると保証金の一部または全部が勧誘した販売員の収入となる仕組みの商法です。
被害者は、友人、ママ友、学生時代の同級生等の交友関係を大事にする主婦や、安易な考えで楽して得をしようとする若者が多く、健康食品、浄水器、女性用矯正下着等を勧誘するケースが多いです。
E内職商法

雑誌広告や折込広告などで「自宅で簡単にできて高収入を得る事ができますよ!」「1日30分で月〇万円稼げますよ!」などの誘い文句で内職者を募集し、ある商品を利用する仕事を紹介するから高収入が得られるなどと勧誘し、その仕事をする上で必要な商品(例:パソコン、教材)を買わせるが、仕事の紹介がほとんど無く高額の商品購入費用の負担だけが残るというような商法です。
被害者は、老若男女を問わないが、比較的、専業主婦やフリーター等自分の働ける時間に合った職を探している人に多く、宛名書き、データ入力、ホームページ作成等を勧誘するケースが多いです。
Fモニター商法

「モニターになれば高額な報酬がありますよ!」「モニターになってアンケートを書いた分だけ収入があります!」などと勧誘し、モニター料を代金の支払いに当てれば商品・サービスを無料や格安で手に入れる事ができると思わせて、高額な商品等を購入させる商法です。商品を購入し会員になり、商品を着用して展示会に出ると、高額のモニター料を払うなどと勧誘しこれらの商品を買わせるが、モニター料はほとんど払われず、商品の代金だけが残るというようなケースもあります。
被害者は、比較的女性に多く、浄水器、化粧品、着物、下着等を勧誘するケースが多いです。
G資格商法(さむらい商法)

「今取得すれば就職や独立に有利な資格です!」「この資格は将来国家資格になりますが、今受講すれば簡単に取れます!」「この〇〇士の資格は現在勉強すれば取得しやすいけど、数年後は超難関資格となります!」「資格を取ったらすぐに仕事を紹介しますよ!」などと言って高額の教材や講座を買わせる商法です。また、二次被害として「解約するなら残りの期間の教材を全部買う必要がある」とか、「止めてあげるから解約金を振り込め」などと一度引っかかった者が再度騙されるケースもあります。
被害者は、自分の能力を高めて資格を取得して仕事を見つけよう思っている人で、資格講座を勧誘するケースが多いです。
H送りつけ商法(ネガティブオプション)

注文していない商品を一方的に送りつけて代金を請求する商法です。家族が注文したものと勘違いをして支払ってしまったり、受け取った以上支払わなくてはならないと誤解をして支払ってしまうのを狙っています。また携帯電話やインターネット接続の情報料として請求書が届き、驚くほどの金額ではないために支払ってしまうケースもあります。郵便局の代金引換郵便を悪用したものもあります。特に年末はカニの送りつけ商法には注意が必要です。
被害者は、独身の男性で、アダルトサイト、アダルト商品を勧誘するケースが多いです。また、知らない内に頼んでしまったと勘違いする高齢者や、配達してもらった以上買わないといけないと思い込んでしまう他人の心を気遣う人で、季節に合った商品を勧誘するケースが多いです。
I催眠商法(SF商法)

公民館や仮設店舗等の会場で商品説明会や安売りセールを名目に人を集め、初めのうちは欲しい人に手を上げさせ日用品や食料品を無料で配り「もらわないと損だ」と思わせて、会場内を熱狂的な雰囲気に盛り上げ、一種の催眠状態を作り出した後、市場価格に比べ高い価格で商品を買わせようとする商法です。
被害者は、体力が低下して健康食品や健康器具に興味のある高齢者で、健康食品や健康器具を勧誘するケースが多いです。
Jデート商法(恋人商法、恋愛商法)

異性に対して電話で呼び出したり街頭で声をかけたりしてデートなどに誘い出し、会話を交わして仲良くなったところで相手の恋愛感情を利用して高額な商品や役務(サービス)を契約させる、異性への恋愛感情を巧みに利用して高額の商品を買わせる商法です。
被害者は、若者(特に独身男性)に多く、宝石、アクセサリー、毛皮等を勧誘するケースが多いです。
K移植商法(移植勧誘事犯)

手持ちのお金を増やしたいという国民の利殖願望につけ込んで、未公開株、社債、ファンド、外国通貨等の取引を装って「値上がり確実」とか「絶対に損はしない」「必ず元本は保証する」などといって勧誘し、購入代金や出資金をだまし取る商法です。
最近では、投資被害の救済を装うものや、海外事業への投資、鉱物採掘権等、その実態が判然としない権利取引を装うものも増えてきています。
被害者は、高齢者に多く、実態のない金融商品や権利を勧誘するケースが多いです。
「クーリングオフ」
「クーリングオフ」とは、事業者と消費者が契約した後、頭を冷やして冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができるという特別な制度のことをいいます。
一旦契約が成立するとその契約に拘束されお互いに契約を守る義務が生じるのが民法で定められている契約の原則ですが、この原則に例外を設けたのがクーリングオフ制度で、いくつかの法律によって、クーリングオフできる商品や役務(サービス)を対象とした取引や、クーリングオフできる期限等が定められています。
クーリングオフの通知は内容証明郵便でする事をお勧めします。また、クーリングオフできる取引なのかを確認する点と、クーリングオフする意思表示の期限を過ぎていないかという点に注意が必要です。
悪徳業者による被害に遭う前の予防対策や、遭った後のクーリングオフ手続ついてお困りお悩みの方は、ぜひ行政書士にご相談下さい!
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